a 太極拳の動作は、最初から最後までゆっくり動いていきますね。それは他の武術にはない特徴です。太極拳の動作は丸く、円を描くようにゆっくり動いていきます。太極拳は「独楽」と表現されることがあります。独楽のようにくるくる回るわけではないのですが、太極拳の動作は一本足が基本なのです。どちらの足に体重が乗っているかしっかり理解しながらゆっくりゆっくり動いていきます。独楽は「一人楽しむ」という意味ですね。ゆっくりした動作で、一挙手一投足を「心を込めて」練習していくのです。そうすることで太極拳の動作の深い面が見えてくるのです。
ちょうど水の中で体を動かすのに似ています。水の中では水の抵抗がありますから、手足は自由に動かすことはなく、必ず水の抵抗を感じ、水を掻くように動かさなくてはいけません。すると、その動作は直線的ではなく、丸く弧を描くような動作になります。
日常の生活で行動するときは、そんなことはまるで考えに浮かびませんね。そのような日常の動作は「軽く」気功的でも武術的でもありません。そのような体の動かし方では太極拳動作は理解できないのです。
例えば、太極拳の最初の動作「起勢」で両手を肩の高さに持ち上げ、お腹の高さに沈めるという動作を、ゆっくり、繰り返して何度も練習してみましょう。
何度も練習するうちに、両手のまわりの空気が次第に重いと感じるようになってきます。普段は感じる事のない周囲の空間をしっかりと感じられるようになるのです。それが太極拳練習であり、気功練習であり、武術の訓練なのです。
「Q2.太極拳はどうしてゆっくり動く?」への2件の返信
今朝7時半からの本番お疲れさまでした。起勢で、いつものように「足は肩幅、手のひら後ろ」と始まりました。今までは、特に意識しなかったけど、「手のひら後ろ」の前に、手のひら前方に向けてゆっくり気を取り入れているように見え、そう感じました。DVDゼロからの太極拳教室でも説明していただいてますが、これが順纏絲、逆纏絲なんですね。終了後、左搂膝拗步で、手を前に出した手の形を質問しました。「陽の腕」手のひら前方、親指軽くたたみ、前へ押し出すということで大丈夫ですか。微妙な形ですが、微妙な気持ちよさがあります。ゆっくりやっているという意識自体大事なんですね。
朝の太極拳前半が終わりました。初日の動画をアップロードしました。その動画を見ると手の動きがハッキリわかると思います。そうです、順纏絲、逆纏絲は「予備勢」の時にもしっかりあるんですよ。この微妙な手の動作を何度も練習してみてください。